【登壇レポート/2023.11.12】「思春期の子どもの心と体を育む家庭での性教育」第1回

神奈川県川崎市の市民館(公民館)が主催する市民向け講座に、本会代表・柳田を講師として呼んでいただきました。

この市民向け講座は

令和5年度高津市民館平和・人権・男女平等推進学習I
「思春期の子どもの心と体を育む家庭での性教育」

というタイトルの5回連続講座です。

柳田は第1回(初回)と第5回(最終回)の2回、講座を担当します。

お話した内容

第1回は、性教育について取り上げる際にマークしておきたい2023年の世相や社会課題についても見て行きながら、そこに性教育がどう関わってくるのかを伝えました。性教育について考える際の見取り図や外観図を示すイメージです。それを通して2回~4回の各論の講義を聞いてもらい、第5回(最終回)で総括を実施する計画です。

まず最初に参加者同士で話す時間を

いくつかのテーブルに分かれて話し合いをしやすいように座ってもらっていましたので、

●家庭での性教育を大事だと思っている理由は?(この講座に参加した理由)
●どんな性教育を受けた経験がありますか?

というテーマで、テーブルごとに話し合いをしてもらいました。

2023年に把握しておきたい課題

夜遅くまで外で遊んでいる思春期世代の言葉を聞いて「夫婦の関係性の中にある課題はまずはその夫婦の問題だが、その家に生まれて来る子どもにとっての問題にもなる」ということを感じた若手時代の経験を伝えたのち、

●携帯電話/スマホが思春期世代にどのように影響するか(親世代が中高生だった頃と今の中高生の比較)
●「トー横キッズ」自体が問題なのではなく、トー横キッズにならざるを得ない子ども達を生み出す課題とは何か
●中学生が友達から言われて最もイヤな言葉とその背景
●日本生産性本部による新入社員「働くことの意識」調査(2019年)から考える、これからの子育てに必要な姿勢
●子どもに下着や裸の写真を撮らせたり性行為をしたりして逮捕される大人の存在

言葉の意味や物事の構造のおさらい

●ジェンダー
●ジェンダー平等
●いじめという名の暴力がなくならない+隠ぺいされやすい構造とは

家庭での性教育を考える

●そもそも「教育」の場や機会とはどこなのか?
●家庭での性教育として最も大事にしたいこと(学校での性教育と家庭での性教育は役割が違う)
●日々の親の態度の子どもへの影響の大きさ
●ひとりの人格として尊重することの重要性
●「快/不快」「いいこと/嫌なこと」「違和感」を無視しないことと言葉にして伝えることの重要性

まとめ

ご自身の日々の子どもとの接し方を振り返りつつ様々なことを感じて下さった方が多かったようです。この第1回では、性教育そのものについてだけ取り上げるのではなく、今の社会の課題や世相についても取り上げることで、その課題や世相(=子どもたちがさらされる環境)に対して性教育がどうであるといいのかを考える時間にしたいと考えていました。それを通して第2回~第4回の間に講義される話題をどう捉えたらいいのかについても伝わったらいいと考えてもいました。第5回(最終回)では、それらを総括するとともに、家庭でのわが子への声かけなどについても具体的に(ちょっとした練習も込みで)取り上げたいと思います。