性の健康イニシアチブについて紹介します。

理念

 ビジョン(実現したい世界像)

自分の生まれついた在り方が生きづらさの理由になるのではなく、誰もが自分は自分に生まれてよかったと思える世界

自らの意思で選んだわけではない生まれてくる在り方(や環境)が生きづらさの理由になるのは、その人を取り囲む世界がその在り方に否定的だからです。肯定をしろということではなく、(意識的・無意識的を問わず)攻撃的な言動や心無い言葉がけをしない。自分が持っているのと同じ権利を他の誰もが持っていることを意識する。このふたつだけで救われる人は多くいます。

 ミッション(ビジョン実現のために果たす使命)

どこに行っても性の健康を享受できるように社会環境をアップデートする

自分のことを受け入れてくれるコミュニティにいる時は安心安全に過ごせるのに、そうではないコミュニティに行くと攻撃的な言動や心無い言葉がけで削られる。これは「どこに行っても性の健康を享受できる社会」ではありません。どこに行っても、誰と会っても、攻撃的な言動や心無い言葉がけにさらされないで済めば、安心安全なまま過ごすことが可能です。そしてそのことが「自分は自分に生まれてよかった」と思えることにつながっていきます。

各事業を、こうした状況を実現するための手段と位置付けて取り組んでいます。

組織

 概要

名称性の健康イニシアチブ
(旧:若者世代にリプロヘルスサービスを届ける会Link-R)
設立2009年11月
所在地東京都渋谷区
代表者柳田正芳
事業内容イベントの開催
研修の開催
書籍の出版+販売
各種ツール等の開発・販売等
ザ・サードプレイス(家でも職場でもない第3の居場所)の設置
その他付帯する各種事業

 沿革

活動等
2009思春期保健に取り組む民間団体「Link-R」 設立
性教育の分野で、講演/ワークショップ業、イベント企画業、執筆業など
2012若者世代にリプロヘルスサービスを届ける会Link-R に改称
2013両親学級のプロジェクトを開始(~2019年)
自治体や産婦人科病院で、出産を控えた夫婦に向けて、夫婦のコミュニケーションについて考える時間を提供
開始のきっかけ:思春期の中高生に話を聴く中で、幼少期からの両親の影響の大きさを感じたこと
2013WEBラジオ「放課後気分」を毎週水曜日23:00~Ustream Liveで生配信開始(~2015年)
「23:00に試験勉強しながら」「23:00に布団の中で」ニヤッと笑えるお悩み解決番組を目指して配信
2015毎週水曜日午後に街の保健室「チカシェスタ co-ba Chofu店」をオープンし、ドロップインサービスを開始(~2016年)
2021「若者世代にリプロヘルスサービスを届ける会Link-R」を「性の健康イニシアティブ」に改組、事業内容も変更し今に至る
2022組織名を「性の健康イニシアティブ」から「性の健康イニシアチブ」に変更

代表者

 ごあいさつ

性の健康イニシアチブの前身は「若者世代にリプロヘルスサービスを届ける会Link-R」と言います。2009年の発足以来11年間にわたり、中高生や大学生、その保護者、学校の先生、地域の大人に向けて、性教育的な発信を行ってきました。

日本は2000年代の初頭に大きな性教育のバックラッシュの波にさらされ、性教育が頓挫したという歴史を持っています。Link-Rが活動を始めた2009年ごろはまだその残り香がくすぶっており、「うちの子に性の話なんてしてくれるな」という時代でした。その逆風的な世論を肌身でひしひしと感じながら活動を続け、やってもやっても広がっていかない、沼の中でもがくような感覚をずっと抱えていたことを今も覚えています。

他方で2018年ごろからなぜか急速に、「性教育」というものに追い風が吹き始めたという感覚もありました。NHKの朝の番組が性教育について発信を始めたり、それにつられるように「性教育の活動をしたい!」という人が急速に増えたり。 「うちの子に性の話なんてしてくれるな」という時代とは隔世の感がありました。

性教育に注目が集まり発信をしたり相談に乗ったりする人が増える一方で、そういった活動をする方々の質のバラつきの問題に関心が向きました。無自覚に特定の在り方の人を傷つけてしまう言動をする活動家の方がいらっしゃることも事実です。そういった状況から、Link-R時代に培った知見を活かして今後は援助者の援助に回りたいと考え、現在の「性の健康イニシアチブ」に至っています。

英語圏には「性科学」や「性の健康」 についての情報は豊富にありますが、日本語で書かれたものの絶対数は圧倒的に少ないです。

それらを日本語で紹介しつつ、 「性の健康」をベースにした考え方や価値観を多くの方に役立ててもらえるように事業を展開していきたい。そのことを通じて、「誰もが自分は自分に生まれてよかったと思う社会」を築いていきたいと思っています。

2021年1月
性の健康イニシアチブ 立ち上げ人/代表
柳田正芳

 プロフィール

2006年中央大学卒業(専攻は社会学)。在学中の2002年より、日本家族計画協会が活動を支援する若者委員会U-COMにて事務局長。卒業後、企業勤務などを経て、2009年にNPO法人ティーンズサポートの事業事務局長として、渋谷の街の中に「相談と検査ができる街の保健室 ティーンズルーム渋谷店」を出店する事業に参加。同年より、「若者世代にリプロヘルスサービスを届ける会Link-R」として、性教育の分野で、講演/ワークショップ業、執筆業、イベント企画業など。2012年頃から性の健康世界学会(WAS)の活動にも携わるようになり、現在に至る。
プロフィールサイト⇒ https://masayoshiyanagida.tokyo/profile

myanagida
講演やワークショップでの風景