本人の性的な事柄について、カラダやココロや人間関係が良好(いい感じ)なら、その人は「性の健康」という状態である
「性の健康」とは?
「健康」という言葉は聞きなじみがあるし、「歯の健康」や「心の健康」と言われると、意味が分かる気がします。ところが「性の健康」と言われた途端に、「???」となってしまいそうです。「性の健康」はどんな人にも関係があるのに、言葉になじみがなく、身近にも感じられない。そんなふうになっています。
「性の健康」は教科書にはこんな内容が書いてあることが多いです。
性に関連して、身体的、感情的、精神的、社会的に良好な状態であり、単に病気や機能障害、病弱がないことではない。
言い換えると、本人の性的な事柄について、カラダやココロや人間関係が良好(≒いい感じ)なら、その人は「性の健康」という状態であるということになります。
性の健康を実現するには?
【性的な事柄についてカラダやココロや人間関係が良好(いい感じ)になる=「性の健康」という状態】です。
どういう時、性的な面でカラダがいい感じだと言えるのか、
どういう時、性的な面でココロがいい感じだと言えるのか、
どういう時、性的な面で人間関係がいい感じだと言えるのか、
これは人によって少しずつ違います。
だから、普段から、自分にとって何が良いことなのかを考えて、自分のための答えを見つけておくことが、「自分の性の健康」を実現するために必要です。
性の健康を実現するヒント
「自分の性の健康」を実現するために、何が自分にとってのいいことなのかを考える時、ヒントになることがいくつかありそうです。
【1】自分が本心でイケてる・得たいと思えることか?
【2】嫌なことを無理にいいことだと思いこもおうとしていないか?
【3】自分や誰かの未来の可能性を消してしまうことではないか?
【4】誰かの犠牲や我慢の上に成り立つことではないか?
性の健康な社会
誰もが「自分にとっての性の健康とは何か」を分かっていることが、個人の性の健康の実現の第一歩です。
そのうえで、そういう人同士が社会をつくる時、大事なことがあります。
それは、
・誰かにとっての「性の健康」を否定しないこと(たとえ、相手の考えが自分の考えと違っていたとしても)
・「私もOK、あなたもOK」という関係になれない時には、距離を取るようにすること
自分の性の在り方から離れて生きられる人はいません。「自分はこれが大事」というものを諦めることも簡単にはできません。誰もがそういう特別な性のニーズを持っています。誰もがそれを大事にしていい・誰からも否定されない社会は、性の健康が実現した社会の姿です。
その一方で、自分の考え方(「自分はこうだ」「自分はこれがいいと思う」など)と、誰かの考え方が相容れないこともあるでしょう。それは「自分もOK、相手もOK」という関係性ではありません。だから、距離を取ります。相手を否定する・言い負かそうとする・変えようとするのではなく、良い距離を取るのです。
こういう半径5メートルの人間関係の中で、付き合える人と付き合う、付き合えない人とはうまく距離を取る(付き合える範囲で付き合うことも含む)ことが連鎖した社会は、少し生きやすくなるかもしれません。