【登壇レポート/2023.07.24】性教育NPOオンライン勉強会
九州で活動する性教育のNPOの勉強会で、本会代表・柳田がお話する機会をいただきました(オンライン)。
内容
事前に、参加予定のみなさまを対象に、どんなことを聞きたいかについてのアンケートを取り、それに沿う形で話しました。
多くの質問を出していただいたのですが、カテゴリー分けすると次の4つになりました。
●講演等での性の話の伝え方について
●場(放課後の居場所)づくりについて
●(いくつかの具体的な用語を挙げて)それらを小さいうちから伝えていくためにどんなことができるかについて
●組織を運営していく工夫について
これら4つのカテゴリーに沿って柳田からお話しました。
伝え方についての話
テレビの某科学実験番組の制作エピソードを紹介しつつ、
・聞き手の生理に合わないことをしない
・知的好奇心をくすぐる=聞きたいモードをこしらえる
ことについて紹介しました。
また、言葉遣いの重要性として、
・「正しい」「~するべき」という言葉は使わず
・「~するという考え方もあるけど、どう思う?」と相手自身に考えてもらうようにする
というアプローチも紹介しました。
場(放課後の居場所)づくりについての話
かつて渋谷の街中に「相談と検査ができる街の保健室」を出展した経験もある柳田のザ・サードプレイスづくりについての考えとして、
・「自立とは依存先を増やすことである」という言葉が示す通り、ザ・サードプレイス(家でも学校でもない第3の居場所)を複数持っておくと良い
・居場所づくりより、居場所と出番づくりである
という話題を出発点に、放課後の居場所づくりの話をしました。
小さいうちから伝えていくためにできることの話
・身体の話や個別具体的な知識の話を理解する土壌を作りたい
・具体的にいうと、「尊厳」や「権利」を守ることに対する感覚を養いたい
・例えばオムツを替える時に「変えていい?」と話しかける、一緒にお風呂に入る時に「あなたの頭を洗ってもいい?」と言った声掛けを続ける
⇒赤ちゃんの頃のことは記憶にはなくとも「そういう語りかけをしてくれた大人の手や声の心地よさは体感的な記憶に残り、それが「尊厳」や「権利」を守るという感覚を養うことにつながっていく
といったことを紹介しました。
組織を運営していく工夫の話
・代表者の一番大事な仕事は、メンバーが気持ちよく動ける環境を作ること
・組織を守るのはメンバーの仕事であって、リーダーの仕事はメンバーを守ること。リーダーが組織を守ろうと考えた瞬間に、メンバーは道具になってしまう
・組織の理念が重要
・理念を共有できていれば同じ方向に向けて一緒に歩んでいける
・そうなれば、リーダーが細かく指示をしなくても自立/自律的な組織が作れる
といったことを紹介しました。
後半にはみなさまとのディスカッションタイムも
また、柳田の話が終了した後には、参加者みなさまとの活発なディスカッションも行われました。
まとめ
熱い事前質問が多数寄せられたことで参加するみなさまの興味関心・聞きたいことがよく分かり、それに沿った内容をお届けできました。そういった話を聞いた後のディスカッションタイムは、みなさまが前のめりに参加する準備にもなったようで、様々なコメントが飛び交っていました。私たち性の健康イニシアチブにとっても実りある時間になったと感じています。ありがとうございました。

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