【登壇レポート/2023.07.22】東京都助産師会いのちの教育委員会主催研修会

東京都助産師会 いのちの教育委員会の研修会に、本会代表・柳田を講師として呼んでいただきました。

研修会のテーマは

助産師や性に関わる職種のNewスタンダード
“性に向き合うアティチュード”

~ノンジャッチメンタルな姿勢を習得する~

とのことで、性の健康イニシアチブが取り組んでいるアティチュード(態度)に関するものでした。

お話した内容

ある事例の紹介

子どもが独立した後に夫との離婚を考えているという女性の事例を通して、「理由も背景も支援の在り方も様々な可能性が考えられるため、援助者側の思い込みで判断せず、ご本人の話をよく聞くことが何よりも大切である」ということを最初に確認しました。

このことは、あとで紹介する「ノンジャッジメンタル」や「主体者の主体性を尊重する」という態度に通じます。

自己紹介

柳田個人の来歴や、性の健康イニシアチブの理念、活動内容などをお話しました。

「アティチュード(態度)」って何?

・アティチュードとは何のことを言っているのか?(言葉の定義)
・アティチュードの重要性
・性教育とアティチュードの関係
・対人援助とアティチュードの関係
・よく聞かれる質問(アティチュードと技術の区別がよく分からない)
について説明しました。

キーワードを学ぶ

アティチュードについて学ぶ上でぜひ知っておいていただきたいキーワードはたくさんあるのですが、今回は以下の5つに厳選してご紹介しました。

・私もOK、あなたもOK
・正しい・正しさ
・自分の機嫌は自分でとる
・安心と安全
・悪いものはゼロにはできない

性の健康イニシアチブが推奨するアティチュード

性の健康イニシアチブが推奨するアティチュードである次の3つについて紹介し、説明しました。

・ノンジャッジメンタル
・主体者の主体性を尊重する
・科学的な根拠のある情報を扱う

アティチュードを磨く重要性と大変さ

いくつかのワークを通して「できると思っていることができない」ことを体験してもらいました。そこから「できていると思ってできていないのがアティチュードである」「学び続け磨き続けるトレーニングを繰り返すしかないのがアティチュードである」ということを伝えました。

「アティチュード」から自由になる

咄嗟の瞬間に出るのがアティチュードであり、トレーニングを繰り返して身体感覚として身に着けるしかないということや、トレーニングの機会は性の健康イニシアチブでも今後作っていく予定であることを伝えました。

質疑応答の時間

後半では、参加者の方々から様々な質問や感想をいただきました。

性の健康イニシアチブは人文社会科学系のバックグラウンドを持つメンバーを中心に、人文社会科学の視点から性の健康と権利について追究している組織です。その視点が新しいと感じて下さった方もいらっしゃったことが分かり、自分たちの価値に自信を持つこともできました。

また、個別具体的な質問を通して、アティチュードに関する研究や研修プログラムをさらに充実させていく手応えも感じました。

参加者の感想

原文ではなく、内容の要約をいくつか紹介します。

・普段考えずに通り過ぎていたテーマを考える機会になった
・アティチュード(態度)をこれからもっと意識したい
・講師の話の内容や質問への対応の姿勢から、サポーティブな在り方について学べた

まとめ

性の健康イニシアチブにとってもとても良い機会をいただきました。「アティチュードが変われば実践が変わる」と言われるほど、アティチュードは重要なものです。しかしながら、日本ではまだまだアティチュードの重要性が可視化されていないうえ、どのようなアティチュードが望ましくどのようにトレーニングするとよいのかもまとめられていません。性の健康イニシアチブとして今後この点についてさらに研究していきたいと考えています。