【開催レポート/2024.02.04】謙遜のいらない「けん・そんカフェ」(第1回)

謙遜のいらない「けん・そんカフェ」グランドオープン

2024年。例年にないほど暖かい日が続く2月。そんな春の麗かさが目前に感じられる時候にグランドオープンを迎えた「けん・そんカフェ」。 記念すべき第1回目は、浄土真宗本願寺派 浄誓寺 僧侶の古川潤哉さんをゲストにお迎えして、「いのちってなんだろう?」というテーマで参加者の皆さまとオンライン対話を楽しみました。その様子をお届けします。

「けん・そんカフェ」とは一体?

性の健康イニシアチブでは、性の健康を考える上で欠かせない「権利」や「尊厳」について追究してきました。これらの概念は抽象的で、人によって考え方が異なることもしばしば。イベントや講演など限られた時間の中で取り扱うのがいささか難しいものです。

そこで、「権利」や「尊厳」に関連するテーマを取り上げて参加者同士で言葉を交わす、いわば“性の健康イニシアチブ発の哲学カフェ”を企画するに至ったのです。哲学カフェや人権カフェのように、答えのない問いに対して他の方の話に耳を傾けたり自分の言葉を紡ぎ出したりしているうちに、分からなかったことが分かったり、もっと分からなくなったりするオンライン対話イベントです。 そう、「けん・そんカフェ」のけん・そんとは、権利・尊厳のことなのです。

第1回テーマ「いのちってなんだろう」

今回インスピレーショントークをいただいた古川潤哉さんは、中学校や高校等で「生と性と死を考える」性教育授業を実施なさっています。古川さんの発見あり笑いありの見事な話術に惹き込まれ、参加者の皆さんの首が縦に動いていたのが印象的でした。

性。この言葉には多角的な切り口があります。「新たないのちの誕生」という局面は、その切り口の一つと言えましょう。私たちのいのちは、肉体が滅びてハイ終わり、ということではありません。性というものを媒介して新たないのちが誕生し、先祖から子孫へといのちはバトンタッチされていくのです。さらに、肉体が滅びたそのあとも、(肉体が火葬されたときに放出される)水蒸気やリンなどの物質が地球上に還元され、他のいのちを育みます。このような循環(仏教の言葉では「ご縁」ですね)の中で私たちは生かされており、性というのはそれをつなぎ止める中継ポイントと考えることもできるでしょう。

この循環の中で、私たちが自分のいのちをどのように全うしたいか、それをどこまで自己決定できるのか、そんなことを模索するひとときが過ごせたように思います。

参加者の皆さまの様子

それぞれの仕事や暮らしに結びつけながら自分の言葉で話したり、ときには他の参加者への応援メッセージが届けられたりと、とても和やかな雰囲気に包まれていました。 ご参加いただいた方からは、以下のようなご感想をいただき、それぞれに気づきを受け取っていただいたことが伺えます。

・扱うのが難しいテーマだったかと思いますが、すごく腑に落ちる部分がたくさんあり学びの多い時間でした!またいろんな切り口で権利、尊厳について考えたいので、また参加させてください。私自身も生きやすくなるヒントになりました!

・今回仏教ではどう考えるか?という新たな知識を得ることができ、尊厳や権利についての考えが深まりました。今後もいろんな分野の方のお話が聞けると嬉しいなと思います。

次回のテーマは「孤独・孤立対策×SRHR」

2024年4月21日(日)10:00〜11:30、オンラインにて開催いたします。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

詳細・お申し込みはこちら。
https://shi20240421.peatix.com

小さなモヤモヤを、大きなチカラに。